グレゴリー・ベイトソンの名言
[1904.5.9 - 1980.7.4]
イギリス生まれのアメリカの文化人類学者。ケンブリッジにて生まれ、ケンブリッジ大で自然科学の学士号を取るも、その後、文化人類学に転身。異文化社会に住み込み調査研究を行う、いわゆるフィールドワークをニュー・ブリテン、ニューギニア、バリ等で実施。人間のコミュニケーションにおいて、互いに影響を及ぼし合うことによって関係が自己破壊を起こすさまを表す「分裂生成」の概念を導出した。また精神医学において、異なるレベルで矛盾している命題によって、態度決定が不能になる状態「ダブルバインド」の理論を提唱したことで知られる。他にもサイバネティクス、言語学等、その研究の射程は多岐に渡る。妻は同じく文化人類学のマーガレット・ミード。著書は、『精神と自然: 生きた世界の認識論』『精神の生態学』『バリ島人の性格』『コミュニケーション―精神医学の社会的マトリックス』『天使のおそれ』等。
It is hypothesized that a person caught in the double bind may develop schizophrenic symptoms.
ダブルバインドに陥った人間は、統合失調症を発症するとの仮説が立てられる。
What we perceive easily is difference and change — and difference is a relationship.
我々が容易に認識できるのは差異と変化である。そしてまた、差異とは関係なのだ。
We are most of us governed by epistemologies that we know to be wrong.
我々のほとんどは、間違っていると分かっている認識論に支配されている。
The myth of power is, of course, a very powerful myth, and probably most people in this world more or less believe in it.
権力の神話はもちろん非常に強力な神話であり、おそらく世のほとんどの人は、多かれ少なかれそれを信じているのだ。
Power corrupts most rapidly those who believe in it, and it is they who will want it most.
権力はそれを信じる者をもっとも早く腐敗させ、また権力をもっとも欲しがるのは彼らなのだ。
Logic is a poor model of cause and effect.
論理は、因果関係についての脆弱なモデルである。
Language commonly stresses only one side of any interaction.
言語は通常、どの相互作用においても、ただ一方の側だけを強調するものである。
A relationship with no combat in it is dull, and a relationship with too much combat in it is toxic. What is desirable is a relationship with a certain optimum of conflict.
争いのない関係は味気なく、争いの多すぎる関係は有害である。望ましいのは、ある程度の最適な争いがある関係だ。
As I see it, the advances in scientific thought come from a combination of loose and strict thinking, and this combination is the most precious tool of science.
思うに、科学思想の進歩は緩やかな思考と厳格なそれとの組み合わせから生まれるのであり、その組み合わせというのは、科学のもっとも貴重な方法なのである。
We can never be quite clear whether we are referring to the world as it is or to the world as we see it.
我々は、自らの言及がありのままの世界へのものであるのか、自分が見ている世界へのものなのかを、判然とさせることなどできないのだ。
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